新春スペシャルインタビュー「妻子と」
目次
1.
大田原地区在住のヨコヤマです。
わが家にも新しい年がやってきました。元日は家族みんなでのんびり起きて、お餅とおせちを食べ、新年のお祝いをしました。

それから、地区内の「田原神社」まで歩いて初詣へ。
田んぼのあぜ道で凧あげをしながら帰りました。
風が弱くてひらひら落ちそうになる凧を、子どもと一緒に全力で引っ張って、寒い中でも汗だくの帰り道でした。

そんな感じで、わいわいお正月をすごしたヨコヤマ家。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
2.
さて、一年あまりこちらでわが家の暮らしのことを書いてきましたが、
あまり登場してこなかったのが、わたしの妻です。
当時、妻がこの地域や家を気に入ったことも、ここに住み始めることを決めた大きな要因でした。
わたしにとっては、いつもアイディアやビジョンを示してくれるパートナーであり、同道者。
ある日の夕食のあと、夫婦でお酒をちびちびやりながら、あらためてこの地域のことや、今の暮らしをどう感じているのか聞いてみました。
―それじゃ、妻に話を聞いていこうと思うんですけど。
(妻)「豆料理の本読みながらでもいい?」
―まあ、いいっすよ…。
(妻)「どうぞ~」
―それで、千曲市に祖父母の家があった僕と違って、こっちには縁もゆかりもなかったじゃないですか。
(妻)「うん。あたしはほんとに初めてだったよね。長野。大人になってから」
―そういった意味では、僕よりよほど移住者として。
(妻)「そういう視点で語れるかもね」
―さいしょにこの場所を決めたときは、どんなところが気に入ったの?
(妻)「そうね、あたしはやっぱり、風景かな~。あとは『適度じゃない』感じ。中途半端な田舎じゃないというか」
―(笑)
(長女)でも、移住希望の人って、だいたいが地方の市街地に住みたいんだってさ。生活に便利、みたいな。
(妻)「その辺はあたしと考えが違うな~」
―住み始めるときに、生活の仕方とかはどう思ってたの?
(妻)「あたし、なんにも考えてなかった(笑)。マジで。なんとかなるかな~、って」
―結果として、なんとかなってるのかな…。

―それで、暮らしぶりですよね。どうですか。暮らしやすい?
(妻)「それは…(笑)」
―収入の話は抜きでよ (笑)
(妻)「まあ、それまでとは全く違う生活だよね。朝起きたら室内が1℃とか (笑) 」
―(笑)
(妻)「それで、ストーブ点けようにも、薪が燃えるまではね」
―でも、薪ストーブのある暮らしなんてさ、都会の人からすれば憧れのステキライフかもしれないよ。
(妻)「でもなかなかストーブがあったまらないのよ」
―それとコタツしかないしね。でも以前はもっと寒かったよ。コタツも小さくて。灯油ストーブだけで。
(次女)「今でも寒いよ!」
(妻)「あの頃は、子どもに室内でもスキーウェア着せたりとかさ」
(三女)「こないだ、学校の男の子が、薪ストーブいいなって言ってたよ」
―ほらほらほら。今度遊びにおいでって言っときな。
(三女)「それはやだ。でも電気代がかからないのはいいよね」
―まあ、薪作るより仕事して燃料買ったほうがお金は残ると思うけど。
(三女)「じゃあ仕事しろよ」
3.
だんだんと酔いがまわってくるふたり。
ときどき子どもたちも口をはさんで、会話はあちこち脱線しています。

(妻)「この前さ~、この地区の魅力はなんですかって、ある人に聞かれたとき、あたしは『大田原は住んでる人がほんとうにいいんですよ』って言ったんだけど」
(妻)「そしたら、『そういうことはどこの地域の人でも言いますしね』って言われちゃって。だからそれじゃアピールにはならないみたいな」
―うんうん。
(妻)「それでもやっぱりさ、あたしは『人』なんじゃないかって思うのよ」
―なるほど。
(妻)「あたしはさ、引っ越してきてすぐに出産で、だからはじめのうち何か月かはず~っとこの大田原を歩き回って散歩ばっかりしてたのよ」
―赤ちゃんをおんぶしてね。犬に追いかけられたりしながら(笑)
(妻)「それでひと回りして帰ってくるといつでも野菜とかいっぱいもらえて」
―うん。
(妻)「その辺でおばあちゃんたちとたくさんお喋りしてね、みんないいのよ~」
―他では得難い生活じゃない?
(妻)「得難いね。でも、たぶんいま慣れちゃって、よくわかんなくなっちゃったのかもしれない。引っ越して数年の頃なら違う感想だったんだろうけど」
(長女)「前にネットでどこかの移住者の人が書いてたのを覚えてるんだけど、田舎は、まわりに音があるんだけど、静かというか、騒音ではないみたいな」
―それ、去年俺が「移住者ライター」で書いたことじゃねえか (笑)
(妻)「来たころはあまりに静かだったよね。夜とか、本当の無音ってなかなか経験できないよ」
―家鳴りがしたりとかね。
(妻)「でも今は (子供も増えて) 賑やかになったよね」
―あっという間だね。
おたがい一度きりの人生、違う暮らしをしていたらと考えても詮ないものです。
ほかならぬその人は一人だけなので、誰かと比べるわけにもいきません。
ふたりで話しているうちに、なんだかしみじみこれまで過ごしてきた日々を思い返していました。
いろいろあるけれど、ともあれここまで連れだって来られてよかった。
願わくばこの先も暮らしをともにできたらと感じた夜でした。
この記事を書いた人:移住者ライター ヨコヤマタケオ
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