子どもたちのとの日々その2(養育里親のこと)
目次
1.
大田原地区のヨコヤマです。
田畑では、お米やりんごに並行して、自給用の大豆やそばも実りの時期を迎え、慌ただしい日々が続いています。
この時期の収穫作業はお天気しだい。天気予報をにらみながら、毎日、仕事の段取りに頭を悩ませています。
そんな季節のある日曜日。
今日は朝からあいにくの雨ふりで、田んぼや畑の仕事はお休み。家の片づけをしたり、たまっていた連絡や事務仕事を片付けたりと、いつもよりいくぶんゆったりした一日になりました。
秋口から稲刈り、りんごの収穫と続いたので、あまり子どもたちと一緒に過ごせていなかったなと、なんとなく子どもの様子を眺めながら過ごしています。

山あいの大田原地区で暮らしていると、とくに子どもたちにとっては交通の便が悪く、休日も思うようには遊び歩けません。退屈していないかなと、ときどき気になります。
それでも今日は、図書館の本を読んだり、もう何度目かわからない漫画をめくったり、なにやら工作をはじめたり、音楽を聴いて歌をうたったりと、子どもたちなりの楽しみ方で時間を過ごしているようです。
ちょっとした言葉の端をきっかけに、しょうもない喧嘩がはじまったりもしますが、なんだかんだ言って仲の良いきょうだいだなと思います。
2.
ところで、そんなわが家の5人の子どもたちのうち、ひとりは私とも妻とも血がつながっていません。
私たち夫婦は、児童福祉法などで定められた里親制度のうち「養育里親」に登録しています。
ひとりの子は、実の親御さんのご事情により、児童相談所を通じてわが家に迎えた「里子」です。
そのため、私たち夫婦の戸籍には入っておらず、親権もありません。けれども、もう何年も「家族」の一員として、一緒に暮らしています。
里親制度について気になる方は、下記のサイトをご覧ください。
⚫︎千曲市「里親制度について ~すべての子どもたちに家庭の温もりを~」
世の中には、さまざまな事情で実の親と暮らすことが難しい子どもたちがいます。
そんな子どもを家庭に迎え入れて一緒に暮らす里親が、この社会にはまだまだ足りていません。
十数年前、この地域で子どもと一緒の生活をはじめたときに感じたことは、親子がのびのび暮らせる空の広さと、ありのままの生き方を受け入れてくれる山里の懐のふかさでした。
古い民家は使いきれないほど広く、家の中を走り回ったり、かくれんぼをしたり。近所の野山ではどろんこになって遊び、冬には雪まみれでそりすべりをしました。田畑には季節ごとの食べ物がみのり、我がことのように子どもの成長を喜んでくれる地元のおじいちゃんおばあちゃん。
この暮らしの中なら、大勢の子どもたちと一緒に、騒がしくて収拾のつかない日々を楽しむことができるんじゃないだろうか。
実子のほかにも子どもを迎えて一緒に暮らすというアイディアは、私たちにとって自然なものだったのかもしれません。
市内には、我が家と同じ校区に児童養護施設の「恵愛」と、併設の「けいあい里親支援総合相談センター」があり、制度に興味をもったときの窓口になっていました。
現在に至るまでも、子どもの養育についてたくさんのサポートをうけることができています。

こうして縁あって、一緒のコタツを囲むヨコヤマ一家。
血のつながった子も、そうでない子も、わが家での日々をのびのびと楽しんでくれたらうれしいなと思います。
午後に入っても、ぐずついた天気はあいかわらず。
今日のおやつは、6年生のおねえちゃんがうちのりんごで焼きっぱなしのケーキを作ってくれました。
私も今日は少し時間に余裕があるので、たまには夕飯の準備を手伝おうと思います。
久しぶりに小麦粉をこねて、カレーうどんにしようかね。
そんなのんびりした一日なのでした。
この記事を書いた人:移住者ライター ヨコヤマタケオ
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